起業をする時に必要になるのが会社の代表電話。1人から数名程度で小さく始める場合は、新たに固定電話回線を引いたり、固定電話機を購入したりしなくてもスマホで固定電話番号を利用することができます。しかも、代表電話番号を複数の人のスマホから受発信することも可能です。
ここでは、これから会社を始める人がどのように電話を選べば良いかについてのお役立ち情報を提供します。
会社の代表電話として必須の固定電話番号
知り合いの取引先から個人で仕事を受託しているフリーランスのような場合を除くと、会社の代表電話としては、東京であれば「03」のように市外局番から始まる「固定電話番号」が必須でしょう。
会社のウェブサイトでの連絡先に携帯電話番号が書かれているような会社は、取引先として信用に値しないと見なされますし、都銀や地銀などの金融機関からの借入はまず不可能と言って良いでしょう。
従って、社会的信用を得るという目的から、固定電話番号の取得は必須と言えます。
スマホで使える固定電話番号を取得する方法
固定電話番号を取得する場合、一般には、NTTのひかり電話に加入するか、アナログ電話のような従来の電話回線をオフィスに引き込む必要があります。
いずれの場合も、フレッツ光のような光回線の引込費用やアナログ電話の場合は39,600円の施設設置負担金がかかりますし、電話機の購入費用が必要だったりなどして、起業当初としては手痛い出費となります。
また、創業時にはレンタルオフィスやシェアオフィスを利用する場合もありますが、割高なレンタル料金が必要であったり、オフィスを移転すると電話番号がリセットされてしまうため、代表電話番号として利用するには不向きです。
そこで、このようなひかり電話や従来のアナログ電話回線を引き込むことなく、固定電話番号を利用する方法として「IP電話」を利用するという方法があります。
IP電話って何?という方は、こちらの記事を参考にして頂ければと思いますが、通常は050で始まる全11桁の電話番号となってしまうところ、市外局番から始まる通常の10桁の固定電話番号を取得することができるIP電話サービスが存在しています。
スマホで使える固定電話番号を取得できるIP電話サービス
そうしたIP電話サービスでは、多くの場合、スマホでアプリの設定を行うことで、手軽に固定電話番号を取得して受発信することができるようになります。
それによって、従来型の固定電話よりも価格を抑えて・スピーディーに固定電話番号を取得できるといったメリットが得られるほか、個人で使用してきたスマートフォンでも固定電話番号を使用して発着信できるといった利点もあるため、オフィスで不要な場合は固定電話機を購入する必要がない、外出先でも会社にかかってきた電話を受け逃す心配がない、といった効果も得られます。
また、社員が私用のスマートフォンを業務用に使用した場合、個人の電話番号を相手に知られることもなく、仕事用とプライベート用の電話番号を使い分けることができます。スマートフォンを2台持ちするといった煩雑さもなく、電話料金も仕事とプライベートを分けて管理することが可能です。
1名から数名程度で起業するような場合は、スマートでかつ低コストなIP電話サービスが最適でしょう。
そのような固定電話番号を利用可能なIP電話サービスを提供している会社は複数ありますが、東京03、大阪06、京都075、横浜045、広島082エリアであれば、「じむでん」が料金面でも機能面でもお得で便利です。スマホにIP電話アプリを入れて、簡単な設定を行うことで「03などの電話番号」を利用することができます(対象のエリアに拠点があることが条件になります)。
会社の代表電話番号への着信を、外出先やテレワーク先にいながらスマホで着信できることに加えて代表電話番号で発信することもできます。
将来の事業拡大を見据えてクラウドPBXがオススメ
上記のような便利なIP電話サービスを利用して創業をした後、会社が成長して大きくなって次のステージに入ることが視野に入ってきたら、クラウドPBXを利用するという方法があります。
クラウドPBXについて紹介する前に、オフィスの電話設備に関する基礎知識ついて簡単に説明します。
ビジネスホン、PBXとは?
これまでオフィスで働いた経験がある人は、「ビジネスホン」と呼ばれる、家庭の電話機とは異なるオフィスの電話機を使った経験がある人が多いでしょう。
この「ビジネスホン」は複数の外線と内線を共有できる電話機です。外線を共有できると、1つの外線電話番号に同時にかかってきた複数の着信を、複数の人が受けることができます。この機能がないと、後でかけてきた人は通話中になってしまいますので、ビジネスチャンスを逃したり、お客様をお待たせしてクレームの原因になってしまったりすることがあります。
そのほかにも内線電話や保留転送など、オフィスで電話を利用する際に起こるあらゆる状況を想定して、多くの便利な機能を備えています。
正確には、ビジネスホンとは電話機単体のことではなく、主装置といわれる交換機とつながった電話機のことを指します。この主装置の内部には、様々な機能を実現するために、CPUや様々なユニットが収容されています。そして、この主装置のことを「PBX」(Private Branch eXchangeの略称)と呼びます。
PBXは高額な装置ですが、拠点ごとに設置する必要があります。また、電話番号を増やしたい、社員が増えたので電話機を増やしたい、といったことが起きるたびに、専門の業者に依頼して設定してもらう必要があるため、成長中で変化の激しい企業にとっては、コスト面とスピード面の両面において不満が生じがちです。
柔軟かつ低コストなクラウドPBX
このようなPBXのデメリットを回避するために「クラウドPBX」を利用するという方法があります。
クラウドPBXとは、オフィスに設置していたPBXをクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、ビジネスホンの利用を可能にするサービスです。クラウドPBXを導入することで実現できることを例示します。
スモールスタートで電話環境を構築可能
インターネットがあれば利用できるため、ハードウェアの購入といった導入コストが必要ありません。
従来のPBXのように設置工事もいらないため、スピーディーに導入することが可能です。サービスによりますが、おおむね5営業日ほどで使い始めることができます。ローリスク・ローコストでスモールスタートを切ることが可能になります。
多拠点でも簡単に電話環境を構築可能
多拠点であっても電話環境の構築が容易です。従来のPBXでは拠点ごとにハードウェアを用意し、設置や配線に工事が必要でしたが、クラウドPBXは場所を問わず利用できます。
事業所の規模拡大やリモートワークの導入など、拠点を分散させるといったことも柔軟に対応可能です。
機動的な運用
インターネットでブラウザから簡単に番号の追加や削除、変更といった設定を変えられます。
そのため、事業所の開設や移転時にも迅速な対応が可能になります。また、運用コストも利用状況に合わせて調節できるので、事業の状況に合わせて機動的な運用を行うことができます。
おわりに|起業に固定電話はいらない!スマホで固定電話番号を取得する方法
会社で利用する代表電話番号は、一旦決めると長く使うことになります。
短期間のうちに変更ばかりしていると、Webサイトやカタログ、名刺などに記載ている情報を変更し周知する必要があるなど、面倒で無駄な業務が増えてしまいます。
また、会社規模が大きくなってしまってからの変更は混乱と負担をさらに大きくします。オフィス移転や従業員増加など、会社の成長を見据えて柔軟に対応できるような電話システムを当初から視野に入れるようにしましょう。